支給品の棚卸 - 自社在庫と分ける数え方と、支給元への残数報告・有償支給の扱い
客先や元請から支給された材料が、自社で買った材料と同じ棚に置かれている。棚卸のときに一緒に数えられ、自社の在庫として計上されてしまう。支給品の棚卸でいちばん多い事故は、混ぜて数えることです。
一般には、無償で支給された材料は支給元の物なので、自社の棚卸資産には含めないのが基本です。有償支給は支給元から対価を払って譲り受ける形の取引なので扱いが変わり、契約の条件によっても違います(会計上の処理は顧問税理士にご確認ください)。この記事では、支給品の棚卸を現場の作業として整理し、置き場所の分け方から客先への報告までを見ていきます。期末の締め方は期末在庫の締め方にまとめました。
この記事の内容(12項目)
- 支給品の棚卸は、置き場所を分けるところから
- 同じ品目でも、支給と自社購入は分ける
- 支給元が複数あるなら、支給元ごとに分ける
- 支給品の棚卸は自社の棚卸と同じ日にやる
- 支給品の受払を記録する
- 不良と破損の欄を必ず作る
- 受入数は伝票の数と別に書く
- 案件が終わったら、その案件ぶんを締める
- 支給品の棚卸の当日の進め方
- 用紙の色を変える
- 現場に出ている分も数える
- 差が出たら、その日のうちに受払を見る
- 客先からの預り品と支給品を分ける
- 預り品は数ではなく件で追う
- 預り品の棚卸は月に1回でよい
- 無償の支給品と預り品は、自社の棚卸資産に含めない
- 支給元へ残数を報告する
- 残数は計算値ではなく実数を出す
- 差があるときは、隠さず理由を添える
- 報告の周期を先に決めておく
- 返却と処分の判断
- 勝手に捨てない
- 返却したことの記録を残す
- 長期に残っている支給品を毎年見る
- 支給品の受け入れで先に決めておくこと
- 歩留まりの見込みを先に伝えておく
- 報告の様式を最初にもらう
- 決めた内容を1枚にして残す
- 支給品の棚卸でつまずきやすい3つ
- その1:自社在庫と同じ棚に置いている
- その2:破損した分を使用数に紛れ込ませる
- その3:残数を計算値で報告する
- 支給品の棚卸にかかわる最近の動き(2026年10月時点)
- 支給品の棚卸に出てくる用語
- 支給品の棚卸と一緒に押さえておきたいこと
- 有償支給の材料代が、製品の代金より先に引かれていないか見る
- 支給元が買い戻す取引では、支給元が在庫として数えていることがある
- 加工途中の物を支給品として数えるかを、支給元とそろえる
- 型や治具も預かっているなら、支給品と同じ日に数える
- よくある質問
支給品の棚卸は、置き場所を分けるところから
支給品の棚卸を正しく行うには、数える前の置き方で決まります。同じ棚にあるものを当日だけ分けるのは無理があります。
| 分けるもの | やり方 | 分けないと |
|---|---|---|
| 置き場所 | 支給品専用の棚か区画を作る | 棚卸で自社在庫として数えられる |
| 表示 | 支給元の名前を現物か棚に貼る | 誰の物か分からなくなる |
| 品目コード | 自社の品目とは別のコードにする | 在庫の集計で足し合わされる |
| 用紙 | 棚卸の用紙を分ける | 集計のときに切り分けられない |
同じ品目でも、支給と自社購入は分ける
まったく同じ規格のボルトでも、支給されたものと自社で買ったものは別に管理します。混ぜると、どちらを使ったかが分からなくなり、支給元への報告ができません。現物が同じでも、コードと置き場所を分けます。
支給元が複数あるなら、支給元ごとに分ける
A社からの支給とB社からの支給を同じ区画に置くと、返却のときに取り違えます。支給元ごとに棚を分けるのが原則です。量が少なければ、箱を分けるだけでも構いません。
支給品の棚卸は自社の棚卸と同じ日にやる
分けて管理していても、数えるのは同じ日にします。時点がずれると、使用量の突き合わせができません。用紙だけを分けて、同じ日に回ります。
支給品の受払を記録する
支給品の棚卸で数が合うかどうかは、日々の受払の記録で決まります。受け入れて、使って、返す。この3つを1行で追える形にします。
| 項目 | 書き方 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 支給元・支給日 | 客先名と受け入れた日 | 報告のときの区切り |
| 品目・数量・単位 | 支給元の呼び方に合わせる | 先方の帳簿と照合できる |
| 受入数 | 実際に届いた数。伝票の数と別に書く | 差があったときの記録 |
| 使用数 | 案件や工程で使った数 | 残数の計算 |
| 返却数 | 支給元へ返した数と日付 | 返却の証拠 |
| 不良・破損 | 使えなくなった数と理由 | 報告が要る。黙って処理しない |
| 残数 | 受入−使用−返却−不良 | 棚卸で突き合わせる数 |
不良と破損の欄を必ず作る
支給品を加工中に壊した、というのは起こります。この欄が無いと、使用数に紛れ込ませて処理されます。報告が必要なものを報告できる形にしておくことが、あとのトラブルを防ぎます。
受入数は伝票の数と別に書く
支給元の伝票の数と、実際に届いた数を両方書きます。合っていれば同じ数字を2回書くだけですが、確認したという記録になります。
案件が終わったら、その案件ぶんを締める
支給品は案件に紐づくことが多いので、案件が終わった時点で受払を締めます。残数を確定させて、返すか次の案件へ持ち越すかを決めます。ここを流すと、翌年の棚卸で誰の物か分からない在庫になります。
支給品の棚卸の当日の進め方
支給品の棚卸は、自社の棚卸と同じ日に、用紙を分けて行います。当日の手順は自社在庫とほぼ同じです。
用紙の色を変える
同じ様式の白い紙が混ざると、集計のときに気づきません。支給品の用紙だけ色を変えるか、大きく支給元名を書いておくと、混入がほぼ消えます。
現場に出ている分も数える
支給品が現場や外注先に出ている場合、倉庫だけを数えると足りません。どこにいくつ出ているかを事前に把握して、現場側にも数えてもらいます。
差が出たら、その日のうちに受払を見る
支給品の棚卸で差が出た場合、自社在庫より急ぎます。先方に報告する数字なので、原因が分からないまま出せません。受払の記録をその日のうちに見ます。
客先からの預り品と支給品を分ける
支給品と似ていますが、扱いが違うのが預り品です。混ぜると、返す義務のあるものが在庫に紛れます。
支給品
加工や組立に使う材料。使えば減る。残りは返すか持ち越す。
受払で残数を追う。
預り品
修理や検査のために預かった品物。減らない。そのまま返す。
受領から返却まで1件ずつ追う。
預り品は数ではなく件で追う
お客様から預かった品物は、数量が減るものではありません。受け取った日、預かった内容、返した日を1件1行で持ちます。棚卸では、返却前の件数と現物が一致するかを見ます。
預り品の棚卸は月に1回でよい
件数が多くなければ、預り品は月に1回、返却前の一覧と現物を突き合わせるだけで足ります。長く預かったままの案件が見えることが、この確認の目的です。扱い方は預り品の管理方法にまとめています。
無償の支給品と預り品は、自社の棚卸資産に含めない
無償で支給された材料と預り品は、原則として自社の所有物ではありません。数えて記録は残しつつ、自社在庫の集計とは分けます。有償支給の材料は支給元から譲り受ける形の取引なので扱いが変わり、契約の条件によっても違います。会計上の処理は経理と顧問税理士にご確認ください。
支給元へ残数を報告する
支給品の棚卸の結果は、支給元に報告することが多くあります。求められてから作るのではなく、出せる形で作っておきます。
| 報告に入れるもの | 書き方 |
|---|---|
| 期間 | 前回報告からの期間。締め日を明記する |
| 受入・使用・返却・不良 | 期間内の数量。受払の合計から出す |
| 残数 | 棚卸で数えた実数。計算値ではなく実数を出す |
| 差異 | 計算値と実数に差があれば、その数と理由 |
| 保管場所 | 倉庫・現場・外注先の内訳 |
残数は計算値ではなく実数を出す
受払の計算だけで残数を報告すると、実際には合っていないことがあります。棚卸で数えた実数を出して、計算値との差は差異として書くほうが、信頼される形になります。
差があるときは、隠さず理由を添える
差が出たときに数字だけ合わせて報告すると、あとで実物が合わなくなったときに説明できません。不良で使えなくなった、探しているが見つかっていない、と事実を書きます。
報告の周期を先に決めておく
求められたときだけ作る形にすると、毎回慌てます。月次か案件の区切りで報告すると決めておけば、受払の記録もその周期で締められます。
返却と処分の判断
支給品の棚卸で残った分をどうするかは、こちらだけでは決められません。判断の窓口を決めておきます。
| 状況 | やること |
|---|---|
| 案件が終わって残った | 返却するか次の案件で使うかを支給元に確認する |
| 使えなくなった(破損・期限切れ) | 数と状態を報告し、処分の指示を仰ぐ |
| 支給元との取引が終わった | 残数を報告して、返却の期限を決める |
| 探しても見つからない | すぐ無いことにせず、所在不明として報告する |
勝手に捨てない
支給品は自社の物ではないので、使えなくなったからといって自社の判断で処分できません。報告して指示を仰ぐのが原則です。処分の指示が出たら、その記録も残します。
返却したことの記録を残す
返したはずのものについて後から問い合わせが来ることがあります。返却日、数量、受け取った人を残しておくと、この確認が数分で終わります。
長期に残っている支給品を毎年見る
何年も残ったままの支給品は、支給元でも把握していないことがあります。年に1回、1年以上動いていない支給品を一覧にして報告すると、返却か廃棄かの判断が進みます。棚が空くという意味でも効きます。
支給品の受け入れで先に決めておくこと
支給品の棚卸で困る場面のほとんどは、受け入れるときに決めていなかったことが原因です。取引を始めるときに確認しておきます。
| 確認すること | 決めていないと起きること |
|---|---|
| 有償支給か無償支給か | 会計処理が決まらない。期末に慌てる |
| 有償支給なら、材料代を決済する日 | 製品の代金より先に材料代を引かれ、資金繰りが詰まる |
| 残数の報告の周期と様式 | 求められたときに毎回作り直す |
| 不良・破損が出たときの連絡先 | 報告しにくく、使用数に紛れ込む |
| 返却の条件と期限 | 案件が終わっても残り続ける |
| 保管中の責任の範囲 | 破損したときの負担がもめる |
| 歩留まりの見込み | 加工で減る分が不足として扱われる |
歩留まりの見込みを先に伝えておく
加工する支給品は、切り代や不良で必ず減ります。受け入れる時点で、どのくらい減る見込みかを共有しておくと、あとで不足として扱われずに済みます。実績が出たら次から見込みを直します。
報告の様式を最初にもらう
支給元に決まった様式があるなら、最初にもらって、自社の受払の項目をそれに合わせます。あとから作り直すより、最初に合わせておくほうが速いです。
決めた内容を1枚にして残す
担当が替わると、決めごとは失われます。支給元ごとに、確認した内容を1枚にまとめて受払簿と一緒に保管すると、引き継ぎで消えません。
支給品の棚卸でつまずきやすい3つ
その1:自社在庫と同じ棚に置いている
置き場所が分かれていないと、当日だけ分けて数えるのは無理です。支給品専用の区画を作るところから始めます。量が少なければ棚の一段でも構いません。
その2:破損した分を使用数に紛れ込ませる
報告しにくいので使用として処理する、という形は、あとで必ず問題になります。不良と破損の欄を作って、報告できる形にするほうが結果的に楽です。責める運用にすると、この欄は埋まりません。
その3:残数を計算値で報告する
受払の計算だけで残数を出すと、実際の残りと違っていることがあります。棚卸の実数を報告して、差は差異として書きます。差を隠すと、次の棚卸でさらに大きくなります。
支給品の棚卸は、数える技術ではなく分ける仕組みの話です。置き場所とコードと用紙。この3つを分けておけば、当日は自社の棚卸と同じ手順で回せます。
支給品の棚卸にかかわる最近の動き(2026年10月時点)
支給品の棚卸のしかたを直接決めた法令はありません。ただ、支給を受けて加工する取引のルールが2026年1月に新しい法律へ移り、その運用の状況も公表されています。一次情報で確かめられたものを日付順に並べます。
| 時期 | 出来事 | 支給品の棚卸への影響 |
|---|---|---|
| 2025年5月23日 | 下請法を改める法律(令和7年法律第41号)が公布された。法律の名前が「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(取適法)に変わることが決まった | 支給を受ける取引の言葉が「親事業者・下請事業者」から「委託事業者・中小受託事業者」に変わる |
| 2026年1月1日 | 取適法が施行された。委託事業者が有償で支給した原材料等の対価を、その原材料等を使った製品の代金の支払期日より早く、代金から差し引いたり支払わせたりすることは、中小受託事業者の責めに帰すべき理由がない限り禁止(第5条第2項第1号。改正前の下請法では第4条第2項第1号) | 使用数・不良・残数の記録が、材料代をいつ差し引けるかの根拠になる |
| 2026年1月1日 | 取適法に合わせて規則も新しく定められた。原材料等を委託事業者から購入させる場合は、品名・数量・対価・引渡しの期日・決済の期日と方法を発注時に明示し(明示規則第1条第1項第7号)、委託事業者は引渡しの日・決済をした日と方法などを記録して2年間保存する(保存規則第1条第1項第10号・第3条) | 受け入れのとき、発注書面の支給材の欄と、届いた現物の数を突き合わせられる |
| 2026年6月10日 | 公正取引委員会が令和7年度の取適法の運用状況を公表。勧告39件(うち不当な経済上の利益の提供要請31件)、指導8,261件。中小受託事業者5,165名に計25億5,698万円の原状回復が行われた | 勧告の多くを占める不当な経済上の利益の提供要請には、型の無償保管の勧告も入る。支給品と一緒に預かっている型の扱いも見直す時期 |
支給品の棚卸で効いてくるポイントは、受払の記録が、そのまま取引の条件を確かめる材料になることです。いつ何個受け入れ、いつ何個を製品にしたかが分かれば、材料代の決済が早すぎないかも確かめられます。
出典:製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(e-Gov法令検索)、同法第四条の明示に関する規則(e-Gov法令検索)、同法第七条の書類等の作成及び保存に関する規則(e-Gov法令検索)、委託事業者の禁止行為(公正取引委員会)、有償支給原材料等の対価の早期決済について(公正取引委員会中部事務所)、令和7年度における取適法の運用状況及び中小事業者等の取引適正化に向けた取組(公正取引委員会)
確認日は2026年10月3日です。取適法にあたる取引かどうかは資本金や従業員数などの条件で決まるため、公正取引委員会か中小企業庁の相談窓口にご確認ください。会計上の扱いは顧問税理士にご確認ください。
支給品の棚卸に出てくる用語
支給品の棚卸では、現場の呼び方と、会計の基準や取引のルールの言葉が混ざります。出どころと一緒に並べます。
| 用語 | 意味 | 出典 |
|---|---|---|
| 有償支給取引 | 企業が対価と交換に原材料等(支給品)を外部に譲渡し、加工されたあと、その支給先から当該支給品(製品に組み込まれたものを含む)を購入する一連の取引 | 企業会計基準適用指針第30号 第104項 |
| 無償支給 | 対価を取らずに材料を渡して加工を頼む形。材料は支給元の物のまま扱われるのが一般的 | 法令上の定義はない |
| 買戻し義務 | 支給元が、加工された物を買い戻す義務。加工された製品の全量を買い戻すことを譲渡のときに約束していれば、義務を負っていると考えられる | 企業会計基準適用指針第30号 第178項 |
| 有償支給原材料等の対価の早期決済 | 有償で支給した原材料等の対価を、それを使った製品の代金の支払期日より早く差し引いたり支払わせたりすること。取適法の対象取引では禁止 | 取適法 第5条第2項第1号 |
| 支給品・支給材 | 発注元から加工や組立のために渡される材料や部品。現場では無償・有償の両方をこう呼ぶ | 法令上の定義はない |
| 預り品・預り在庫 | 修理・検査・保管のために他社から預かっている品物。減らずにそのまま返す | 法令上の定義はない |
| 預け在庫 | 自社の物を、取引先や倉庫会社に置いてもらっている在庫。支給元から見た支給品は、この形に近い | 法令上の定義はない |
| 歩留まり | 投入した材料のうち、製品になった割合 | 法令上の定義はない |
支給品の棚卸で取り違えやすいのは、同じ「支給品」でも、無償なら支給元の物、有償なら一度こちらが譲り受けた物という違いです。置き場所と用紙を分けるのは同じですが、報告や決済の話になったときに、どちらの取引かで答えが変わります。自社の物を外に置いている側の考え方は預け在庫とはにまとめています。
支給品の棚卸と一緒に押さえておきたいこと
支給品の棚卸を調べると、有償支給の会計処理の記事が多く出てきます。ここでは、支給を受けて加工する側が困りやすい点を4つ置きます。
有償支給の材料代が、製品の代金より先に引かれていないか見る
取適法の対象取引では、有償で支給された原材料等の対価を、それを使った製品の代金の支払期日より早く差し引いたり支払わせたりすることは禁止されています(第5条第2項第1号)。ただし、支給された材料を壊したりなくしたりして納品できなくなった場合、不良品や注文外の物を作った場合、ほかへ転売した場合は、受託側の責めに帰すべき理由があるものとして扱われると、公正取引委員会は説明しています。不良・破損の欄を受払簿に持っておくことは、この区別をつける記録にもなります。
支給元が買い戻す取引では、支給元が在庫として数えていることがある
会計の基準では、支給元が加工された物を買い戻す義務を負っている有償支給は、支給元が支給品の消滅を認識しない(自社の在庫として扱い続ける)こととされています。個別財務諸表では、譲渡したときに消滅を認識することもできます(企業会計基準適用指針第30号 第104項)。この扱いを認めた理由として、支給品は物理的には支給先で在庫管理が行われているため、支給元での在庫管理に実務上の難しさがある点が挙げられています(同第181項)。支給元から残数の報告を求められるのは、このためです。報告の周期と様式を先に決めておく理由もここにあります。
加工途中の物を支給品として数えるかを、支給元とそろえる
会計の基準でいう支給品には、加工された製品に組み込まれている場合も含まれます(企業会計基準適用指針第30号 第104項)。棚にある未加工の材料だけを数えて報告すると、仕掛かり中の分が抜けて、支給元の数字と合わないことがあります。「未加工」「加工途中」「完成済み・未納品」の3つに分けて数えると、どこで差が出たかが分かります。期末の締め方は期末在庫の締め方で扱っています。
型や治具も預かっているなら、支給品と同じ日に数える
材料と一緒に、加工に使う型や治具を支給元から預かっていることがあります。発注が無いのに型を無償で保管させていたとして、公正取引委員会の勧告が2025年から続いています。支給品の棚卸の日に型も数え、最後に使った日を一覧にして支給元に送ると、返却か保管料かを相談するきっかけになります。型の台帳の作り方は支給金型と治具の管理に、預かった品物の扱いは預り品の管理方法にまとめています。
よくある質問
- Q. 支給品は自社の棚卸資産に含めますか?
- 無償で支給された材料は支給元の物なので、含めないのが基本です。有償支給は支給元から対価を払って譲り受ける形の取引なので扱いが変わり、契約の条件によっても違います。数えて記録は残しつつ区分を分けておき、会計上の処理は経理と顧問税理士にご確認ください。
- Q. 支給品と自社購入品が同じ規格の場合、分けて管理する必要がありますか?
- 分けてください。現物が同じでも、混ぜるとどちらを使ったかが分からなくなり、支給元への報告ができなくなります。品目コードと置き場所の両方を分けるのが確実です。
- Q. 支給品を加工中に壊してしまいました。どう処理すればいいですか?
- 使用数に紛れ込ませず、不良・破損として記録し、支給元へ報告してください。自社の判断で処分することはできません。報告して指示を仰ぎ、処分の指示が出たらその記録も残します。
- Q. 支給品の残数は、受払の計算値を報告すればよいですか?
- 棚卸で数えた実数を報告し、計算値との差は差異として書くほうが安全です。計算値だけで報告すると、後日実物が合わなかったときに説明できません。差の理由が分かっていない場合も、そのまま書いてください。
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本記事は一般的な業務の進め方を整理したものです。社内規程、契約条件、法令上の要件がある場合は、それらを優先してご確認ください。記事の内容は2026-10-03時点のものです。