梱包資材の管理と使用記録 - 使った数を出荷につなげる
段ボールが足りなくなって出荷が止まった。緩衝材を切らして、慌てて近所で買ってきた。梱包資材は、無くなるまで誰も気にしない在庫です。ただ、切らすと出荷が止まるという点では、材料と同じ重さがあります。
一方で、1枚あたりの単価が低いので、細かく数えると手間が費用を上回ります。この記事では、梱包資材の管理を、切らさないことと費用を見ることの両方から整理します。日常の消耗品の管理は消耗品の在庫管理にまとめました。
この記事の内容(10項目)
- 梱包資材の管理は2つの目的で分ける
- まず切らさないことから始める
- 費用を見るのは期間を区切ってでよい
- 種類を絞ると両方が楽になる
- 切らさないための持ち方
- 床にテープで線を引く
- 線の位置はリードタイムで決める
- 置き場所を1か所にまとめる
- 使用記録の取り方
- 出荷の記録に欄を足す
- 1か月だけ取ってみる
- 種類は代表的なものだけでよい
- 出荷1件あたりの資材費を出す
- 小口の出荷が多いと資材費が膨らむ
- 過剰梱包になっていないか見る
- 資材費と破損の費用を比べる
- 種類を絞る
- 絞ると単価が下がることがある
- 使用頻度の低いサイズから廃止する
- 特注の箱は本当に必要か見直す
- 通い箱との使い分け
- 取引先ごとに使い分ける
- 回収率が低いなら使い捨てのほうが安い
- 両方の使用量を同じ場所で見る
- 発注のしかたを決める
- まとめ買いは置き場所と相談する
- 定期発注に切り替えると楽になる
- 納入の曜日を固定する
- 梱包の作業そのものを見直す
- 品目ごとに箱を決めておく
- 作業場所の近くに置く
- 切り置きと組み置きをしておく
- 梱包資材の管理でつまずきやすい3つ
- その1:数えて管理しようとする
- その2:種類が増えすぎている
- その3:費用を一度も見ていない
- よくある質問
梱包資材の管理は2つの目的で分ける
梱包資材の管理には、目的が2つあります。どちらを重視するかで、記録の細かさが変わります。
| 目的 | 必要な記録 | 手間 |
|---|---|---|
| 切らさない | 在庫数と発注点。使用量の大まかな傾向 | 少ない。二棚法でも足りる |
| 費用を見る | どの出荷でいくつ使ったか | 多い。出荷ごとに記録が要る |
まず切らさないことから始める
梱包資材の管理で先にやるのは、切らさない仕組みです。費用の把握は、切らさない形ができてからで構いません。出荷が止まる損失のほうが大きいためです。
費用を見るのは期間を区切ってでよい
出荷ごとの記録を毎日続けるのは負担です。1か月だけ記録して、出荷1件あたりの資材費を出すという取り方もあります。傾向が分かれば、それを使い続けられます。
種類を絞ると両方が楽になる
段ボールのサイズが10種類あると、記録も在庫も複雑になります。3〜4種類に絞れないかを先に検討すると、その後の管理が軽くなります。
切らさないための持ち方
梱包資材は数が多く単価が低いので、細かく数えるより現物で管理するほうが向いています。
床にテープで線を引く
段ボールを積んでいる場所の床に、ここまで減ったら発注、という線を引くだけで発注のタイミングが決まります。数えなくて済みます。
線の位置はリードタイムで決める
発注してから届くまでの日数のあいだに使う量が、線の上に残っている必要があります。3日で届くなら3日ぶん、1週間なら1週間ぶんです。
置き場所を1か所にまとめる
梱包資材があちこちにあると、どこにいくつあるか分かりません。1か所にまとめると、見ただけで残量が分かります。作業場所に近いほど、動線も短くなります。
使用記録の取り方
費用を見るために記録を取る場合は、出荷とひもづけます。ここが消耗品との違いです。
| 項目 | 書き方 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 日付・出荷番号 | 出荷の記録と同じ番号 | 出荷ごとの資材費が出せる |
| 届け先 | 取引先名 | 取引先ごとの梱包費が見える |
| 資材の種類 | 段ボールのサイズ、緩衝材の種類 | 使用量の内訳が分かる |
| 使用数 | 枚数、個数 | 在庫の減りと突き合わせられる |
| 荷姿 | パレット、平積み | 荷姿ごとの資材費が分かる |
出荷の記録に欄を足す
別の用紙を作ると書かれません。出荷前の確認表に「使った資材」の欄を足すのがいちばん確実です。作業の流れの中で書けます。
1か月だけ取ってみる
ずっと記録し続ける必要はありません。1か月取れば、出荷1件あたりの平均が出ます。その数字を使って、以降は月次の使用量から逆算できます。
種類は代表的なものだけでよい
すべての資材を記録すると手間が増えます。金額の大きい上位3〜4種類だけ記録すれば、費用のほとんどは押さえられます。
出荷1件あたりの資材費を出す
梱包資材の管理で、費用の側から見えてくることがあります。
| 見る切り口 | 分かること | 次の手 |
|---|---|---|
| 出荷1件あたりの資材費 | 梱包にいくらかかっているか | 送料と合わせた発送費の把握 |
| 取引先ごとの資材費 | 特定の先で梱包が重くなっていないか | 荷姿や梱包仕様の見直し |
| 荷姿ごとの資材費 | 平積みとパレットの差 | まとめて出す判断 |
| 月ごとの推移 | 使いすぎていないか | 増えた月の理由を聞く |
小口の出荷が多いと資材費が膨らむ
同じ量を1回で出すか10回に分けるかで、梱包資材の量は大きく変わります。出荷をまとめられないかを検討する材料になります。
過剰梱包になっていないか見る
破損を防ぐために梱包を厚くするのは正しい判断ですが、破損が出ていない品目まで厚くしていることがあります。破損の記録と並べて見ると、緩められる部分が分かります。
資材費と破損の費用を比べる
梱包を薄くすると資材費は下がりますが、破損が増えれば逆効果です。両方の金額を並べて判断すると、適正な厚みが決まります。破損の記録は輸送中に破損したときの対応で扱っています。
種類を絞る
梱包資材の管理を軽くする最も効く方法が、種類を減らすことです。
サイズを細かく揃える
1件あたりの資材費は下がる。在庫の種類が増える。
切らす種類が必ず出る。
3〜4種類に絞る
少し大きい箱を使うことがある。在庫の管理が楽になる。
まとめ買いで単価が下がる。
絞ると単価が下がることがある
10種類を少しずつ買うより、4種類をまとめて買うほうが単価は下がります。資材費の総額では、絞ったほうが安くなることがあります。
使用頻度の低いサイズから廃止する
1年の使用量を種類ごとに出すと、ほとんど使っていないサイズが見つかります。そのサイズをやめて、近いサイズで代用できないかを検討します。
特注の箱は本当に必要か見直す
特定の品目のために作った箱は、単価が高く、在庫も抱えます。汎用の箱と緩衝材で代えられないかを一度検討する価値があります。
通い箱との使い分け
梱包資材と通い箱は、同じ「荷物を包むもの」ですが、費用の構造が違います。
| 使い捨ての梱包資材 | 通い箱 | |
|---|---|---|
| 1回あたりの費用 | 資材の単価がそのままかかる | 回収できれば安い |
| 手間 | 梱包の作業だけ | 回収と管理の手間がある |
| 回収 | 不要 | 必要。返らないと買い足す |
| 向いている相手 | 単発・遠方・回収が難しい先 | 定期・近距離・往復のある先 |
取引先ごとに使い分ける
全部を通い箱にする必要も、全部を使い捨てにする必要もありません。回収の手間が現実的な取引先だけ通い箱にするのが実務的です。
回収率が低いなら使い捨てのほうが安い
通い箱が返ってこなければ、買い足しの費用がかかります。回収率と買い足しの金額を、使い捨ての資材費と比べると判断できます。通い箱の管理は通い箱とパレットの回収管理で扱っています。
両方の使用量を同じ場所で見る
片方を減らせば、もう片方が増えます。梱包資材の使用量と通い箱の出入りを同じ月次の資料で見ると、切り替えの効果が分かります。
発注のしかたを決める
梱包資材は数が多くかさばるので、発注のしかたが在庫の量に直結します。
| 決めること | 目安 |
|---|---|
| 1回の発注量 | 置き場所に収まる量。1〜2か月ぶん |
| 発注の周期 | 使用量が安定していれば定期発注が楽 |
| 発注する人 | 1人に決める。金額の上限も決める |
| 納入の曜日 | 固定すると受け入れの手間が減る |
まとめ買いは置き場所と相談する
段ボールは単価が安いので、まとめ買いで単価を下げたくなります。ただし、かさばるので置き場所を圧迫します。下がる金額と占める面積を並べて判断します。
定期発注に切り替えると楽になる
使用量が安定していれば、毎月決まった日に決まった量を入れてもらう形が楽です。発注の判断そのものが要らなくなります。季節変動がある場合は、量を見直す時期を決めておきます。
納入の曜日を固定する
かさばる荷物なので、受け入れに手間がかかります。曜日を固定して、その日に受け入れの人を確保すると、荷降ろしが滞りません。
梱包の作業そのものを見直す
梱包資材の管理を続けていると、資材だけでなく作業の時間も見えてきます。
| 時間がかかる場面 | 手当て |
|---|---|
| 箱を組み立てるところから始める | あらかじめ数箱を組み立てておく |
| 資材を取りに行く距離が長い | 梱包の作業場所の近くに置く |
| サイズを毎回選ぶ | 品目ごとに使う箱を決めておく |
| 緩衝材を切る | よく使う長さに切り置きしておく |
品目ごとに箱を決めておく
毎回どの箱を使うか考えるのは、意外と時間を食います。よく出る品目については、使う箱と緩衝材の量を決めておくと、迷わずに済みます。
作業場所の近くに置く
資材を取りに行く往復が1回1分でも、1日30件なら30分です。梱包の作業場所のすぐ近くに、使う資材をまとめて置くだけで変わります。
切り置きと組み置きをしておく
手が空いている時間に箱を組み立て、緩衝材を切っておくと、出荷が集中する時間帯が楽になります。忙しい時間の作業を、空いている時間に移すという考え方です。
梱包資材の管理でつまずきやすい3つ
その1:数えて管理しようとする
段ボールを1枚ずつ数えるのは、手間が費用を上回ります。床にテープで発注の線を引くなど、現物で見える形にするほうが続きます。
その2:種類が増えすぎている
サイズを細かく揃えると、必ずどれかを切らします。3〜4種類に絞ると、在庫の管理も発注も楽になり、まとめ買いで単価も下がります。
その3:費用を一度も見ていない
単価が低いので気にされませんが、出荷件数が多ければ年間では金額になります。1か月だけ記録して、出荷1件あたりの資材費を出すと、判断の材料ができます。
梱包資材の管理は、切らさない形を先に作って、費用は期間を区切って見る。この分け方にすると、手間をかけずに両方が押さえられます。
よくある質問
- Q. 梱包資材の在庫は、数えて管理すべきですか?
- 数えなくても構いません。段ボールを積んでいる場所の床に「ここまで減ったら発注」という線をテープで引くだけで、発注のタイミングが決まります。線の位置は、発注してから届くまでのあいだに使う量が上に残るように決めてください。
- Q. 梱包資材の使用記録は、ずっと取り続ける必要がありますか?
- 1か月取れば、出荷1件あたりの平均が出ます。その数字が分かれば、以降は月次の使用量から逆算できます。ずっと記録し続けるより、必要になったときに期間を区切って取り直すほうが現実的です。
- Q. 段ボールのサイズは、細かく揃えたほうがよいですか?
- 3〜4種類に絞るほうが管理は楽になります。細かく揃えると1件あたりの資材費は下がりますが、在庫の種類が増えてどれかを必ず切らします。絞ってまとめ買いにすると単価が下がり、総額では安くなることもあります。
- Q. 通い箱と使い捨ての梱包、どちらがよいですか?
- 取引先によって使い分けてください。定期的に往復があり回収が現実的な相手は通い箱、単発や遠方で回収が難しい相手は使い捨てが向きます。通い箱の回収率が低い場合は、買い足しの費用と使い捨ての資材費を比べて判断してください。
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